実際に売ろうと考えている方もそうですし、いつかは売ろうかなと考えている方もそうだと思います。
「価格はどうやって決めればいいのか」「不動産会社はどうやって決めればいいのか」など、不動産売却には、わかりにくい点がたくさんありませんか。
まず、大切なのは不動産売却の流れを理解すること。不動産売却の流れをしっかり理解することで、「次に何をすればいいか」がわかって、戸惑うことなく売却手続きを進められるようになります。このページでは、不動産売却の基本をお伝えしてまいります。
不動産売却の流れ
不動産売却のおおよその流れを把握しましょう。不動産売却の流れは、大きく以下の5つに分けることができます。必ずしもこの流れどおりに行う必要はありません。実際、流れどおりに進まないケースもあります。
不動産売却の大きな流れ
- 売却スケジュールを決める
- 価格を決める
- 買い手を探す
- 買い手と売買契約を結ぶ
- 買い手に引き渡す
不動産売却で必要な工程
以下では、不動産売却で必要になるステップ(手続き)13項目にまとめました。その内容を一つ一つ具体的に見ていきましょう。
売却スケジュールを決める
最初にいつまでに売りたいか、希望売却スケジュールを決めましょう。いつまでに売るかを明確にすると売却価格や各手続きのスケジュールも決めやすくなります。
一方、売却時期を明らかにしておかないと、売却価格も決まりにくくなり、売却がスムーズに進みにくくなります。
また、この段階で、売却目的や売却理由もなるべく明確にしておきましょう。売却の目的や理由は複数でもかまいません。目的や理由を明らかにすることで「いつまでに売りたいか」がより明確になるはずです。
ステップ①売却時期を決める
不動産売却で必要になるステップの1つ目は、売却時期を決めることです。まずはいつまでに売りたいかを決めます。いつまでに売りたいかを明確にすることで、売却価格やスケジュールなどを決めて、スムーズな売却につなげることができますので、実は重要なステップと言えます。あとで変更してもかまいませんので、まずは希望売却時期を明確にしましょう。
ステップ②目的を決める
不動産売却で必要になるステップの2つ目は、目的を決めることです。この段階では、売却の目的や理由を明確にしましょう。
売却の目的や理由を明らかにすることで、いつまでに売りたいかがより明確になり、価格決定もしやすくなりますので、こちらも重要なステップといえます。売却が進んでから、明確になってくることもありますが、できるかぎり、早いうちに明確にしておくのが理想といえます。
価格を決める
不動産売却の流れの2つ目は、売却価格を決める段階です。この段階では、いくらで売るかを決めます。具体的には、自分で相場を調べたり、不動産会社に査定に出したりといったステップが必要になります。買い手を探す前に相場を調べておかないと、相場以下の価格で売ってしまって後悔するおそれがあります。
また、相場を調べないと、相場以上の価格で売りに出してしまって、なかなか買い手がつかないということになりかねません。
ステップ③相場を調べる
不動産売却で必要になるステップの3つ目は、相場を調べることです。
相場の調査は、いくらで売るかを決めるための前段階になります。買い手を探す前に相場を調べておかないと、相場以下の価格で売ってしまって後悔するおそれがあります。また、相場を調べないと、相場以上の価格で売りに出してしまって、なかなか買い手がつかないということになりかねません。
相場調査は、取引価格を調べることができるツール「不動産取引価格交渉情報検索」(国土交通省提供)などを使って行うことができます。
ステップ④査定をする
不動産売却で必要になるステップの4つ目は、査定をすることです。
不動産の査定とは、売れそうな価格を調査して決めることです。多くの不動産会社が無料査定サービスを提供しており、インターネットには、複数の査定サイトがあります。査定をきっかけにして、依頼者との契約や売却につなげたいというのが狙いです。不動産会社によって、査定価格は異なりますから、なるべく複数社に査定してもらうのがいいでしょう。
ステップ⑤価格を決める
不動産売却で必要になるステップの5つ目は、価格を決めることです。不動産を査定してもらったら、いよいよ、実際にいくらで売りに出すかを決めます。査定価格はあくまで目安ですので、その価格で売りに出さなければならないということはありません。そこで、査定価格をもとにして、実際に、売りに出す価格を決める必要があります。
早めに売却したいのであれば、低めの価格で売りに出すことになります。安いほうが買い手がつきやすいからです。一方、売却を急がないのでしたら、高めの価格からスタートするのがいいでしょう。安く売却してしまうと、あとで後悔してしまうことになりかねません。
ステップ⑥媒介契約の必要書類を用意する
不動産売却で必要になるステップの6つ目は、媒介契約の必要書類を用意することです。
具体的には、登記済権利証や登記識別情報のほか、身分証明証(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど)を用意する必要があります。登記済権利証や登記識別情報は、不動産の所有者であることを証明する本人確認資料です。売り出し価格を決めて、販売活動をしてくれる不動産会社と、媒介契約(仲介契約)を結ぶ場合に必要になります。媒介契約を結ぶ前にそろえておくのが望ましいでしょう。戸建ての場合は、検査済証、建築確認済証なども必要になります。
不動産売却で必要になる書類について、詳しくは以下をご覧下さい。
ひと目でわかる!不動産売却に必要な書類11選 >
買い手を探す
不動産売却の流れの3つ目は、買い手を探す段階です。この段階では、いよいよ、自分の不動産を買ってくれる買い手を探します。具体的には、仲介不動産会社に依頼したり、知人に声をかけたりして、買い手を探します。
一般には、仲介不動産会社を決めるのに1週間から3週間、買い手を探すには1カ月から3カ月かかると言われています。物件に魅力がある場合など、短いと数週間で買い手が決まりますが、売れない場合は、1年以上かかることも。この段階で、うまく進んでいないなと感じたら、価格を決めなおすことになります。
なお、この段階から、不動産会社に提出する必要書類が出てきます。必要書類は、あらかじめ把握しておいて、なるべく早めに準備するようにしましょう。
ステップ⑦不動産会社を決める
不動産売却で必要になるステップの7つ目は、販売活動をしてくれる不動産会社を決めることです。この段階では、買い手を探してくれる不動産会社を選び、媒介契約(=仲介契約)を結びます。
一般に、不動産会社を選び、媒介契約を締結するまでに、1週間から3週間ほどが必要になると言われています。販売活動は、1社に依頼してもいいですし、複数社に依頼しても問題ありません。大手であれば豊富なリソースを活用してくれることが期待できますし、中小であれば独自のネットワークが期待できます。
不動産会社の選び方は、会社の規模ではなく、売却の目的やスケジュールによって変わってきますので、売却の目的どおりに進めてくれるような不動産会社を選ぶようにしましょう。なお、この段階で、先に用意した登記済権利証、登記識別情報などの本人確認資料が必要になりますので、紛失しないように保管しておきましょう。
ステップ⑧買い手を探す(販売活動)
不動産売却で必要になるステップの8つ目は、買い手を探すことです。
買い手を探す場合、不動産会社に販売活動を依頼しているのであれば、基本的に不動産会社に買い手探しを任せることになります。
不動産売却で最も時間がかかるのがこの段階です。
前述しましたが、一般的に、買い手を探す販売活動には、1カ月から3カ月程度かかると言われています。この段階では、買い手が見つかった場合にそなえて、のちに必要になる印鑑証明書や固定資産評価証明書を準備しておくのがいいでしょう。
買い手と売買契約を結ぶ
不動産売却の流れの4つ目は、見つかった買い手と売買契約を結ぶ段階です。幸いにして買い手が見つかったら、条件交渉をまとめて売買契約を結ぶことになります。この段階では、契約締結の前に、必要書類をそろえ、売買契約書を作成するといったステップも必要になります。
一般的に、条件交渉開始から売買契約締結まで1週間から2週間が必要になると言われています。ここまでくれば、ひと安心といいたいところですが、高額な取引になりますので、最後まで気を抜かないようにしましょう。とくに、のちのトラブルを防ぐためにも、売買契約書の内容には注意が必要です。
ステップ⑨条件交渉をまとめる
不動産売却で必要になるステップの9点目は、見つかった買い手と条件交渉をまとめることです。幸いにして買い手が見つかったら、すぐに売買契約、となるわけではありません。
不動産売買は高額取引になることもあり、買い手のほうから購入希望金額を提案されることがあります。具体的には、売出し価格の5%~10%程度の値引きを提案されることがあります。そこで、買い手の側としては「こういう条件なら売れる」「いくらなら売れる」といった条件を出して、お互いの希望をすりあわせていくことになります。
不動産会社と媒介契約をしている場合、不動産会社があいだに入ってくれますから、心配はいりません。不動産会社に疑問点などを相談しながら進めるといいでしょう。
ステップ⑩売買契約の必要書類を用意する
不動産売却で必要になるステップの10点目は、売買契約の必要書類を用意することです。めでたく買い手と条件交渉がまとまったら、売買契約の準備に入ります。
具体的には、印鑑証明書や固定資産評価証明書などを用意します。また、土地の場合は、土地測量図や境界確認書も必要になります。買い手と売買契約を結ぶ前にそろえておくのが望ましいでしょう。
不動産売却で必要な書類について、コラム記事で紹介しています。
【コラム】不動産売却時に必要な書類11種類 ▶︎
ステップ⑪買い手と売買契約を結ぶ
不動産売却で必要になるステップの11点目は、見つかった買い手と売買契約を結ぶことです。いよいよ売買契約となります。
売買契約の段階では、売買契約書を作成して、それにもとづいて契約をします。また、買い手から手付金を受領し、不動産会社に仲介手数料を支払うのもこの段階です。売買契約の段階では、のちのちのトラブルを避けるためにも、契約上の注意点をよく確認して、不備のないようにすることが大切です。
買い手に引き渡す
不動産売却の流れの5つ目は、買い手に不動産を引き渡す段階です。具体的には、買い手から代金を受領して、物件の鍵などを渡します。ここまで終わったら、不動産売却はすべて完了となります。実際には、ローンで支払いを受ける場合など、これからも代金の支払いが続きますが、いちどこれで売却の区切りがつきます。
ステップ⑫引き渡し必要書類を用意する
不動産売却で必要になるステップの12点目は、引き渡しに必要となる書類を用意することです。不動産は、売買契約を締結したら終わり、ではありません。買い手がローンで購入する場合、売買契約後に、ローン申込みや審査などが必要で、通常は決済完了まで1カ月ほどかかります。
その間に、売り手は引き渡しの準備を進めましょう。引き渡しの段階では、身分証明書や印鑑証明書のほか、固定資産評価証明書なども必要になります。
不動産売却で必要になる書類について、詳しくは以下をご覧下さい。
【コラム】不動産売却時に必要な書類11種類 ▶︎
ステップ⑬買い手に引き渡す
不動産売却で必要になるステップの13点目は、買い手に引き渡すことです。この段階では、買い手から代金を受領して、不動産の鍵を渡します。ここまできて、ようやく不動産売却に区切りがつくことになります。
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上記の不動産売却に必要な13ステップをご覧いただいてお分かりのように、不動産の売却には時間がかかります。
集めなくてはいけない書類もありますし、希望価格ではなかなか買い手がつかないおそれもあります。それに、不動産売却では、思わぬ悩みやトラブルが生じることもあります。「家を売りたい!」と思ってから、じっさいに売却が完了するまでは、ちょっと多めに見積もって、6ヶ月以上はかかると見ておくのがいいかもしれません。そして、もし悩みやトラブルが発生したら、信頼できる不動産会社に相談するのが解決への早道になります。
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