大切な家族がお亡くなりになられた時、その後も通夜・葬儀に始まる多くの行事、そして公的手続きに追われる事になります。親族が集まる内に、少しでも早くご遺産の整理に手をつけたいと考える方も多いでしょう。また独居生活が長くしばらく会っていなかった場合、仮にそれが賃貸契約の住まいだったという時には、退去までの時間をできる限り短くしたいというご希望もあると思います。
ただ、初めに気をつけていただきたいのが、遺品の整理は誰がしてもいいというわけではないという事です。故人が遺した物は、たとえその場所が勝手をある程度よく知る居宅であろうとも、独断で遺品を整理していく事は望ましくありません。お片づけの延長と感じるかもしれませんが、実は民法で定められた規則があるのです。それをこれから解説していきます。
故人の遺品は、財産に該当するものが存在する
遺品整理は財産相続と深い関わりがある大事な作業の1つという事を先に知っておいてください。理由は、たとえ故人と血縁関係にあったとしても、または、いくら生前に親しい間柄だったといえども、勝手に遺品の数々に触れてしまうと、そこに正式な法定相続人の方々が相続するはずの財産に手をつけてしまう事になりかねず、さらにその方々の間柄に混乱が生じかねません。
そうした事を防止するため、基本的には相続人が主導して遺品整理と遺産整理を行うのが一般的であり、整理作業に入る前に必ず決めておくべき事があります。それは、法定相続人の方々が財産を「相続する」か「相続しない」かです。相続人は緊急なケースを覗き、相続放棄をした人は遺品整理を行えないという決まりがあります。もし故人にマイナスの財産(負債)があった場合、一切の財産を相続拒否する事ができます。(ただし、手続きには期限があります。)遺産整理を行うための遺品整理は、普段のお部屋のお片付けとは全くの別物と考える方が安心です。
財産を相続する3つの方法
遺産の相続(遺産整理)の手段として、下の3種類があります。
それでは、一つずつ順にご説明します。
単純承認 | 亡くなられた方が遺した遺品を含む、全ての財産を引き継ぐ相続方法です。一番一般的な方法で、単純承認する場合、特別な手続きはいりません。相続が開始された日(被相続人が死亡した日)から3ヶ月を経過すると、すべての財産における権利義務を承継したものとみなされ、自動的に「単純承認」したことが認められます。 |
---|
相続放棄 | 相続放棄は、相続人が故人の所有していた全ての財産を相続せず、相続の権利そのものを放棄する事です。マイナスの財産がプラスの財産を上回る債務超過の場合や、複数人いる中から特定の相続人に資産を集中させたい場合に選択する相続方法です。 相続放棄するためには、相続が開始された日(被相続人が死亡した日)を知った日から3ヶ月以内に、亡くなった方の最後の住所地にある「家庭裁判所」へ相続放棄の申述を行い、受理される必要があります。相続放棄を受理された後は、特別な事情(強迫による意思表示だった等)がない限り、取り消しや撤回ができません。 |
---|
限定承認 | 財産の中にマイナスの財産が含まれていた場合、相続で得るプラスの財産の範囲内で債務を負担し、仮に相続財産を超える負債が残っても支払い義務が失くなり、逆にプラスの財産に余りが出れば引き継げる相続方法です。故人が借金を残して他界した場合や借金がどの程度あるかわからない場合、特定の財産を残しておきたい場合などに有効です。 限定承認するためには、相続放棄と同様、相続が開始された日(被相続人が死亡した日)を知った日から3ヶ月以内に、故人の最後の住所地にある「家庭裁判所」へ限定承認の申述を行い、それを受理される必要があります。 |
---|
相続財産を所有していた方(故人/被相続人)が亡くなると、民法で決められた相続人(法定相続人)に対し相続が開始されますが、否応なしに「プラスの財産を相続する権利」と「マイナスの財産を返済する義務」の両方を引き継ぐことになったら、経済的価値のある財産よりも債務が上回っていた場合、相続人自身で蓄えた資産まで失ってしまったり、借金を負ってしまう恐れが少なからずあります。この事態を避けるために、相続人には「マイナスの財産を返済する義務」を拒否することができる措置が用意されています。
ただし、被相続人が亡くなり相続が開始された日から3ヶ月の期限内(熟慮期間)に相続する方法を決断する必要があり、この期間内に「相続放棄」か「限定承認」の申告手続きをしなければ、自動的に「単純承認」したとみなされますので注意が必要です。(民法第915条第1項、第921条2号)
民法第921条に該当した行為を行った際は、相続放棄は行えません。もし、明らかに負債が多い場合や相続問題に巻き込まれたくないという目的を持ち「相続放棄する意思」がある場合は、むやみに遺品に触れないでください。以下で、民法第921条について解説します。
民法第921条|法廷単純承認
次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
1号
相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第602条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りではない。
(意訳:相続人が遺産を売却したり、廃棄したり、譲り渡すなど、なんらかの処分行為を行なった時。ただし、遺産を保存する行為や短期の賃貸を行うことはこの限りではない。)
【解説】相続人が遺産を一部でも処分してしまうと単純承認を選択したとみなされます。
ただし、遺産の価値や状態を保存する(守る)ための行為については、この条文でいう「処分」には該当しません。
また、『第602条に定める期間を超えない賃貸』とは、短期間の賃貸のことをいいます。短期間の賃貸は、『処分』ではなく『管理』の扱いになるため、賃貸を行なったとしても単純承認を行なったという事にはなりません。
また、賃貸を行う場合には、民法第602条も該当します。
民法第602条 短期賃貸借
処分につき行為能力の制限を受けた者又は処分の権限を有しない者が賃貸借をする場合には、次の各号に掲げる賃貸借は、それぞれ当該各号に定める期間を超えることができない。
一 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃貸借 十年
二 前号に掲げる賃貸借以外の土地の賃貸借 五年
三 建物の賃貸借 三年
四 動産の賃貸借 六箇月
(意訳)「処分につき行為能力の制限を受けた者」又は「処分の権限を有しない者」が行うことができる賃貸借の期間は、その目的に応じて制限されます。
2号
相続人が第915条第1項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
(意訳:相続人が3ヶ月以内に相続の限定承認または相続放棄をしなかった時。)
【解説】法廷相続人に該当する事を知ってから原則3ヶ月以内に相続の限定承認または相続放棄の判断をしなかった時は単純承認を選択したものとみなされます。限定承認または相続放棄を選択する場合、家庭裁判所での手続きが必要ですから、出来るだけ早く対応に取り掛かりましょう。
3号
相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りではない。
(限定承認または相続放棄を決定後に遺産を隠したり、他の利害関係者にとって不利益となる行為を認識していながら遺産を使ったり、遺産をわざと財産目録に記載しなかった時。ただし、相続放棄を決定した後に、相続権を持つ人がその人に代わり相続を承認した場合はこの限りではない。)
【解説】他の相続人や利害関係者に不利益が出ると認識しながら裏切るような行為を行なった場合、たとえ事前に限定承認や相続放棄を決定していても、単純承認を選択したものとみなされます。
たとえば、相続放棄を選択した場合、その相続人は「借金を引き継がなくてもよい」という意味で保護されますが、裏切り行為を行なった場合にはその人に対して保護を与える必要ないと判断されます。
相続手続きを進めましょう
家族が遺産に該当する財産を遺してお亡くなりになった際、あなたが法定相続人であり、相続すると決めた場合、下の点を把握しておく必要があります。
- 遺言書の有無
- 相続人はあなた以外に誰がいるか
- 相続する財産は何があるか
遺言書の有無を確認する
最初に確認すべき事が『遺言書』の有無です。亡くなられた方の遺言書が存在する場合は指定された内容に従って遺品整理を執り行う必要があります。相続人が複数いる場合は共有する財産を法定相続分に基づいて分割しなければなりません。もしも遺言書によって相続権がないまま、勝手に故人の所有品を整理整頓したり処分してしまった場合には、罰則の対象になる等の問題が生じる可能性があります。
故人が遺した持ち物はすべて「遺品」となり、所有する権利は「相続人」に寄与されるため、遺品整理は基本的に「財産の相続を承認した相続人」が行うべき行為です。そこに、相続権を拒否したい場合や相続人間で遺産の分割が済んでいないにも関わらず独断で遺品整理を行なってしまえば、権利関係に矛盾が生じ問題に発展する事は容易に想像できますよね。ですので、よかれと思っても遺品の整理は行わず、まずは遺言書が遺されていないかの確認から始めてください。
※余談ですが、故人が遺言により『特定の人物へ遺産を遺す事』を願ったとしても、法定相続人には遺言では奪うことのできない遺留分(相続人に法律上約束された、最低限度の財産留保分)がある事も知っておきましょう。
相続人はあなた以外に誰がいるか、相続する財産は何があるか
民法で定められた故人(被相続人)の財産を相続できる方々の事を『法定相続人』といいますが、この内、相続放棄をした方を除いた実際に財産を相続する人を『相続人』といいます。この相続の権利がある相続人をまず把握しましょう。
相続人の遺産相続割合を算出
故人が遺した遺産を合計し、相続人各々の相続順位と法定相続分に沿って、遺産を分割していきます。
ただ、この時に気をつけないといけないのは、相続放棄をする人は遺品に手をつける権利がないという事です。そして遺言書が存在した場合は、遺言で指定された方や相続人が財産を引き継ぐまでは、相続人以外は遺品に一切触れるべきではありません。
ご遺品の中には、ご遺族様が経済的な価値はないと判断して処分したものの、実は相続対象だったりする場合もあります。処分をした時点で遺品の隠匿とみなされ「相続を承認」した事になりますのでお気をつけください。※相続の承認については、後述します。
たとえ一部でも形見分けを先にしてしまうと「他の遺品には触れていない」ということが確実に証明できない限り、同様に判断される場合もありますから、相続放棄を行う際は、正式に受理されるまで遺品整理に関わらない方が無難と言えるでしょう。
相続人の相続割合
遺産相続には、法定相続分と遺留分があり、その割合が全く異なってきます。
法定相続分の割合
民法で規定されている法定相続分の割合は以下の通りです。
| 配偶者 | 子 | 親 | 兄弟姉妹 |
---|
配偶者のみ | 100% | ー | ー | ー |
---|
子のみ | ー | 100% (複数名いたら均等割) | ー | ー |
---|
親のみ | ー | ー | 100% (両親ともに健在なら均等割) | ー |
---|
兄弟姉妹のみ | ー | ー | ー | 100% (複数名いたら均等割) |
---|
配偶者と子 | 1/2 | 1/2 (複数名いたら均等割) | ー | ー |
---|
配偶者と親 | 2/3 | ー | 1/3 (複数名いたら均等割) | ー |
---|
配偶者と 兄弟姉妹 | 3/4 | ー | ー | 1/4 (複数名いたら均等割) |
---|
遺留分の割合
民法で規定されている遺留分の割合は以下の通りです。
| 配偶者 | 子 | 親 |
---|
配偶者のみ | 1/2 | ー | ー |
---|
子のみ | ー | 1/2 (複数名いたら均等割) | ー |
---|
親のみ | ー | ー | 1/3 (複数名いたら均等割) |
---|
配偶者と子 | 1/4 | 1/4 (複数名いたら均等割) | ー |
---|
配偶者と親 | 1/3 | ー | 1/6 (複数名いたら均等割) |
---|
相続をすると決めた後の流れ
ここからは、法定相続人が「相続する」可能性が高い場合に際した手順の流れになります。
遺産整理と遺品整理について
相続手続きを開始するために、まず今回の相続で何が遺産に該当し、どれ程あるのかを調べる事から始めます。その作業を行うにあたり、身の回り品を含む遺品を整理する仕分け作業を「遺品整理」といいます。
遺品整理はいつから始めるのは良いの?
持ち家の場合
基本的には、遺品整理を始めるタイミングに決まりはありません。例えば、四十九日や百日法要(卒哭忌など「忌明け」を迎える仏教法要に間に合うように計画して親族が揃う状況で手続きを進める例もあれば、気持ちの整理がついてから数年後に行う例もあります。特別な例として、相続放棄を考える際は3ヶ月以内に判断する必要がありますから、状況に応じて前倒しで進めるのが一般的です。作業の進め方に関しても、とくに正式な手順などはありません。
賃貸契約がある住まいの場合
故人が借り主で賃貸契約をしていたお住まいの場合は、部屋を借りている以上、毎月家賃が発生し続けます。施設に入居していた場合は荷物量もコンパクトだと思いますから心配はないかと思いますが、一人暮らしを長く続けていた場合は遺した持ち物も多い場合が大半ですから、遺産の整理まで終えるには時間と手間が多くかかります。最大の問題が、家賃や共益費、敷金に加え、違約金を含む、解約日までの費用面です。
契約を結んでいた以上、自動的に契約が満了するということはなく、故人の「賃借権」は相続人へ引き継がれます。(ただし、公営住宅の場合は基本的に賃貸権は相続対象となりません。)解約までの間、引き続いて請求が届き続けますから、早めに遺産整理と遺品整理を終える方が安心です。
ちなみに、解約には相続人が管理会社もしくはオーナー(大家)に賃貸契約の解除申告を行い、退去届を提出します。契約時の条件に沿う日程で部屋の明け渡し期日を通達されますから、それまでに遺品整理を済ます必要があります。
遺産整理について
相続財産を探索する前に、知っておくべき事
ここからは、故人が遺した遺産を整理し、実際に相続対象を仕分けする(遺産整理)を行う流れをご説明します。まず先に把握すべき事は、相続税の申告と納税の期限です。
故人の預貯金や土地・建物などの不動産、宝飾品など相続税の課税対象となるものは、申告・納税が10ヵ月を過ぎてしまうと重加算税がかかってしまうため、期限が過ぎた場合には相続人にとって大きな経済負担になりかねません。保険や年金などに関する法的な手続きが必要なものや課税対象となるものの有無は遺族や親族全員で話し合いと確認を行い、段階的に始めていく事をおすすめします。
相続財産に該当するもの
作業を行う前に、遺産分割協議(相続人で行う遺産分配の話し合い)を想定しながら事前に共有しましょう。共有を怠ったまま遺品整理を始めてしまうと、どんなに仲の良い間柄でも相続争いが起きてしまう事があります。また、実際に作業を進めると未完済ローンや未納の税金・家賃・医療費といった借金、いわゆる負債(マイナスの財産)を相続せざるを得ない状況が生じる可能性(相続放棄の手続きができなくなる)もあります。
たとえば、以下のものは相続対象となります。
相続財産に該当するもの
- 高価な家財や宝飾品
- 貴金属
- 骨董品
- 美術品
- 有価証券
- 自動車
- 土地や建物等の不動産
- 預貯金
明らかに換価価値があるご遺品(プラスの財産ともいいます)に値する物に関しては、相続人全員による遺産分割協議で相続分を正しく分ける必要があります。ただし、在りし日の故人を偲ぶ写真や生前に友人たちと取り交わした手紙、愛用していた衣類など経済的価値がないと断定できる遺品でしたら、相続対象にはなりません。
遺品整理について
日頃から出入りしている場所ならともかく、お付き合いがほとんどなかった場合、家の中の勝手だでけでく、遺産には何があるのか予想もできないかと思います。相続をする可能性が高いと決めたとはいえ、確証がもてていない場合ですと価値のある無しがわからないまま下手に整理を始めるわけにはいきません。
本来ならば、被相続人が生前整理の一環で遺言や財産目録を作成しておき、遺族や相続人が相続で争ったり負債の弁済に追われることがないよう、財産について明らかにしておくことが理想的ですが、借金などは家族に秘密にしているケースが多いため、被相続人が亡くなってはじめて「隠れ借金」が判明することも珍しくありません。
「遺品整理をしたばっかりに相続放棄することができなくなった!」というトラブルを防ぐためにも、遺品整理と財産相続の深い関わりについて正しい知識を持ち、故人が残した借金の肩代わりやローンの返済などマイナスの財産を引き継ぐことがないようにしたいものです。
遺品整理の実際の作業についての解説は、弊社のグループ企業である(株)ネクストの記事で紹介しています。もし全てが初めてで遺産整理と遺品整理に不安を感じる方は、弊社へ一度ご相談ください。相談は無料で承ります。
遺品整理は遺産相続や課税に影響する可能性があるので注意
遺されたご遺品の数々の中には、契約者が他界したことを申告しない限り利用契約が続くサービス等があります。最近では利用明細等が郵送されないケースもあります。これらは遺族が連絡をしないと自動更新され、いつまでも利用料が発生しているケースもありますので、定期的に届くクレジットカードの利用明細(紙の明細を契約していない場合もあります)や、銀行口座の自動引き落としなどがないかを定期的に確認する方が安心ですね。引き続き利用するには、契約者の変更手続きが必要です。もし以下のものを発見した時は、別に分けて一時保管しておくと、後の作業がすこし楽になります。
発見したら別保管しておきたいもの
電話加入権、クラウド契約、通販の定期購入など。
賃貸借契約の連帯保証人だった場合
相続人が故人(被相続人)の賃貸借契約において連帯保証人となっていた場合は、相続放棄しても賃貸物件の原状回復に伴う義務と責任が解消されるわけではないので注意が必要です。
賃貸借契約の連帯保証人は、債務者(契約者本人)と同等の責任を負うことを契約によって約束した第三者となりますので、「相続する権利を放棄すること」と「遺品整理の義務がなくなること」はイコールではありません。
故人の賃貸契約に対して連帯保証人になっている方は、解約する際に必要となる原状回復(遺品整理や特殊清掃)と退出前に敷金等の修繕費用を負担する必要があります。
ただ相続放棄する場合は遺された全ての財産に関与できないため、相続財産の1つになる賃貸契約の解約手続きには一切対応できません。たとえオーナーや管理会社から連絡を受けても、相続放棄した方は「相続人ではない」とみなされるため、法律上、解約手続きに応じることはできません。
財産の管理義務がある場合
民法第940条では、相続放棄をしても次に相続する人が相続財産を管理できる時まで、「相続人」である限り管理義務があると規定されています。
民法第940条|相続の放棄をした者による管理
相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。
【解説】故人(被相続人)の財産に管理が必要な賃貸住宅や建物・土地があった場合は、相続放棄しても管理義務は残ります。「連帯保証人」ではなくても「相続人」である限り、財産を管理する人が決まるまでの間、管理義務が継続します。
※ここで規定される『財産の管理義務』を放棄したい場合には、財産の管理を代行してもらう『相続財産管理人』を家庭裁判所に選任してもらう事ができます。ただし、相続財産管理人の選任を申し立てた方は、管理業務の経費や報酬を支払うための資金となる予納金(参考:20万円~100万円ほど)を家庭裁判所へ納付する必要があります。
突然ご家族がお亡くなりになり、
どうしたらいいかわからない状況の方へ
亡くなられた方が所有していた生前の愛用品は「遺品」であると同時に故人の大切な「財産」でもあります。たとえ経済的価値がないと思えるような遺品でも、相続にどのような形で影響を及ぼすかわかりません。
上で解説しましたように、率先して部屋の整理を行なうのは一見正しく思えますが、遺品の取り扱いでは後に問題にまで発展する可能性もゼロではありません。いかなる事情があっても相続人や親族に合意を得つつ、慎重に遺品整理と関わるようにする方が安心です。相続は金銭が絡む問題である以上、「争続」と表現されるようにどんなに親しい間柄であっても揉めることはあるからです。
賃貸契約があり、早めに対応を進めたい場合は、専門家などに協力を仰ぎ、連携すると想像する以上にスムーズに進む場合が多いです。弊社でしたら、遺品整理の言葉ができる前から事業を続ける弊社グループの遺品整理ネクストが、最短半日の撤去作業と重要な書類の探索を行います。作業終了後、別けて保管した重要書類をご遺族様へお渡しします。
財産相続については分割や継承について相続人全員でしっかりと話し合い、伝えるべきことをきちんと伝えた上で必要な手続きを進める必要がありますので、良かれと思って行った遺品整理が思わぬ相続トラブルに発展しないよう、専門家へ相談しながら進めると安心ですよ。